【使用米】新潟県産米 100%
【アルコール度数】15%(原酒)
【使用酵母】新潟G74酵母
【日本酒度】-
【酸度】-
【おすすめの召し上がり方】冷やして~常温~お燗
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
新潟県「あべ」の阿部酒造による「僕たちの酒 Vol.1」が到着しました。こちらは阿部酒造初の生もと仕込みによる、アルコール度数15%の一回火入れのお酒です。さらに「僕たちの酒」なるネーミングが示すとおり、僕たち(=蔵人たち)が造ってみたいと思う酒を造ったんだそうです。
当蔵には自慢の蔵人がたくさん。そんな蔵人たちにたくさんの経験を積んでもらいたいと考え、このお酒は杜氏の指示ではなく、杜氏・蔵人含めみんなで意見を出し合い、すべての作業を蔵人なりに考え、水を汲み、麹を作り、楽しみながら造ったお酒です。 ~ バック・ラベルより ~
そんな「僕たちの酒 Vol.1」、グラスの中でごく微かなイエローの色合いを見せます。光沢のある液面。キラキラと輝くようなその奥の液体が、その中に溶け込んだ酸の豊富さを物語ります。
口当たりは滑らか。柔らかな旨みが豊かに広がり、しっとりとした舌触りの酸がその旨みを緩やかに引き締め、同時に引き立てます。口の中にはマスカルポーネ・チーズを想わせる、まろやかなチーズのようなフレーバーが広がり、甘やかでリッチな味わいを表現。飲み落とした後にもはっきりと豊かな甘い風味を残し、優雅な余韻を漂わせます。
「僕たちの酒 Vol.1」は、温めても美味。
40℃前後に温まると旨みのボリュームが一気に向上。まろやかな酸と柔らかなバランスを保ちつつ、しっとりとした甘やかな味わいを広げます。
45℃前後で旨みと酸のバランスがレベルを合わせて、まろやかでありながらも力強い味わいを表現。ジャスミンのような優しい甘い風味が心地よい上燗をお楽しみいただけます。
さらに温度が上がると酸の煌きが際立ち、引き締まった味わいが広がります。シナモンのような風味を伴ったまろやかな苦みが豊かな旨みのある飲み口をスマートに楽しませてくれます。
『なぜ今生酛なのか』
昨今製造する蔵が増えてきている生酛。なぜ阿部酒造がこのタイミングで造ったか。それは、私の研修先に起因します。酒造りに戻ってから、何件かの酒造会社にお世話になり、14日間ほどお邪魔をし、各お蔵から様々なことを学ばせてもらいました。そのひとつには今回の生酛をすごく丁寧に教えてくれた蔵がありました。そして、そこから”生酛”の魅力にハマり、蔵人たちが増えてからも生酛の事をよく話していました。
蔵人たちの判断として、こういった背景も入っているようです。そして、今期初めて設備が弱いなりに行った結果ですが、味以上に一つ大きな発見をしました。それは、この生酛が当社が元来いろいろと考え模索している『低アルコール』のお酒を造ることに適しているのではないか、と。
まだまだ実験段階ではありますが、しばらくはこの生酛を実験的に造るかとは思います。もし本当に今の仮説が立証できれば、当社のアルコール分は原酒ベースで大きく下がり、より飲みやすいけれど味があるという酒質にたどりつくのではと考えております。
とにもかくにも1年目です。どうかお手柔らかにお願いいたします。 ~ いただいた資料より ~
生もとじゃないお酒でもまろやかな旨みと酸が調和した味わいを感じられる日本酒「あべ」。そこに生もとの豊かさが加わることでさらに深みや奥行きを獲得した印象があります。実験的な、初めての生もととはいえ完成度の高さを感じる「僕たちの酒 Vol.1」。今後が楽しみな「あべ」生もとです。