【使用米:麹】新潟県産五百万石 50%精米
【使用米:掛】新潟県産こしいぶき 65%精米
【アルコール度数】15%
【使用酵母】非公開
【日本酒度】非公開
【酸度】非公開
【おすすめの召し上がり方】冷酒~常温
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
新潟県で日本酒「あべ」を醸す阿部酒造による「定番純米酒」のご紹介です。日本酒「あべ」といえば、バラエティに富んだ純米吟醸酒を中心にフラッグシップである純米大吟醸酒や、ユニークな香味が表現された「★(スター)シリーズ」など、ラインナップの多彩さでよく知られていますが、吟醸でない純米酒としての「あべ」は、今回ご紹介の「定番純米酒」ただひとつなのです。2018年の初リリースから3年目を迎える「定番純米酒」。おりがらみの生原酒から数ヶ月の洗練期間を経てリリースとなった一回火入れ(生詰)の原酒です。
そんな「定番純米酒 生詰」は、グラスの中で淡いイエローを溶け込ませたシルバーの色調を呈します。俯瞰して眺めるグラスのいたるところに輝きが溢れ、酸の豊富さを物語り、液面を艶やかな光沢で覆い、差し込んだ照明にスペクトルを纏わせて美しく反射させます。豊かなエキス分と純良なアルコール分が溶け込んでいることを想像させる、健全さをありありと伝える外観です。
グラスから豊かに漂う香りは、濃縮したかのようにたっぷりとした印象。艶やかな蜜が思い浮かぶ林檎を想わせる果実感に加え、炊き立てのごはんのようなもちっとしたニュアンスや、ココナッツやバニラのような上品な甘い香りも嗅ぎ取る事ができます。また、ごく微かにスパイシーな熟成のニュアンスも溶け込んでいることで香り立ちに深みが加わり、甘やかな中にも落ち着いた雰囲気を感じることができます。
トロみを感じるほどの濃縮感のある口当たり。豊かな旨みから滲みだす甘みを張りのある酸が包み込み、くっきりと縁取り、引き締めて、甘やかさを保ったまま、ほどよい強さのある飲み口を鮮明感とともに表現。口の中に広がる味わいには香ばしく、甘やかでスパイシーな、シナモンをまぶしたチュロスのようなフレーバーがまろやかに、微かなぴりっとしたアクセントの煌きを伴って広がります。
飲み落とした後には、まろやかな苦みがじんわりと滲み出して柔らかなキレを展開。後口に微かに残る甘やかなバニラ感と溶け合って、カラメルソースのようなビタースウィートな余韻を優雅にたなびかせます。
日本酒「あべ」の火入れによる香味の鮮明感がしっかりと表現された甘やかさが、豊富な酸に引き締められ、同時に引き立てられた、まろやかでふくよかな味わいをお楽しみいただける純米酒。豊かな旨み、甘さを感じさせながらも、洗練されたバランス感によってスムーズに、くっきりとした味わいを楽しませてくれる「あべ 定番純米酒 生詰」です。この機会にぜひ、ご体験ください。