このワインの造り手の前身は歴史的ゴールドラッシュの町、マーフィーで1948年に設立された「ジョン・カウツ・ファーム」。後に、1989年に「アイアン・ストーン・ヴィンヤーズ」を設立。オーナーのカウツ家は、主にロダイに植えられたこのユニークなブドウ品種を最も重要なものとして栽培しています。ミネラルに富んだ粘土と砂質土壌によって優れた品質のブドウが生み出されています。
Quality

Obsessionは「取り憑かれる」とか「執着」という意味に直訳される英語ですが、このワインを飲んで浮かんだ意訳としては「病みつき」。華やかすぎる香味、心地よすぎる爽やか、且つ、甘やかな飲み口は何度飲んでも新鮮な驚きをもたらしてくれます。
マスカット・オブ・アレキサンドリアとグルナッシュ・グリを交配させて生み出されたというオンリーワンなブドウ品種「シンフォニー」を主体として造られたこのワインは香りの華やかさ、飲み口のフレッシュさ、甘やかな味わいの心地よさが調和し、飲む人に取り憑いて病み付きにさせる魅力を備えています。
Description
【ヴィンテージ】 | 2016 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | アメリカ | 【地方】 | カリフォルニア州 |
【地区】 | ロダイ | 【村】 | - |
【品質分類・原産地呼称】 | - | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | シンフォニー 85%、シュナン・ブラン 15% | ||
【醸造・熟成】 | ステンレスタンク 3~12ヶ月 シュール・リ | ||
【アルコール度数】 | 12% | 【色】 | 白 |
【種類】 | 白ワイン | 【タイプ】 | やや辛口・ミディアムボディ |
summary


ラベルに描かれている花は「水仙」。
アイアンストーン・ワイナリーでは毎年3月に「Spring Obsession Art Show」が開催されるそうです。これはアイアンストーン・ヴィンヤーズのベストセラーワインである「Obsession」の祝典として始まり、「水仙」をテーマにした芸術作品が展示され、その期間中に「Daffodil Days(=水仙の日々)」というアイアンストーン・ヴィンヤーズの敷地に植えられた20トンもの球根による「水仙」を愛でるイベントが行われます。そこでは「Symphony」や「Obsession」と名付けられた水仙を見つけることができるそうです。黄色い水仙の花言葉は「もう一度愛して」。何度でも飲んでもらいたいという造り手の想いが表現された「水仙」ラベルなのです。
pH値:3.32
総酸度:5.5g / L
残糖分:21g / L
アルコール度数:12%
Tasting Comment
色合いは優しく色付いた淡い黄色。光沢のある液面と、その奥に穏やかな輝きを見て取ることができます。

香り立ちは鮮烈。「むせ返る」と言っても言い過ぎではないくらい。はっきりとしたライチを想わせる甘く清涼感のあるニュアンス。ジャスミンのような甘い花を想わせる香りも豊かに。グアバや洋梨、白桃のようなイメージも次々と浮かび、白胡椒のようなスパイス感がほんのちょっとのアクセントを添える複雑さも備えています。注意深く嗅ぐ必要のない、華やかな果実のニュアンス。「病み付き(=Obsession)」になること請け合いの魅力的な芳香です。

微かな炭酸の微小な粒がチクチクと舌を心地よく刺激する爽やかな口当たり。艶やかな舌触りの液体にはほんのりと甘さが溶け込み、やや穏やかな酸味がその甘さを瑞々しく引き立てます。さらにブドウの皮のような渋味、ミネラルによるビター感が織り重なってジューシーな味わいをくっきりと、鮮やかに際立たせ、歯切れのよい飲み口を表現。口の中に広がるのはグレープフルーツのゼリーやトニックウォーター、シロップ漬けの白桃が思い浮かぶ、甘酸苦がひしめき合うような賑やかで明るいフレーバー。飲み落とした後には、豊かな風味はふっとボリュームを落とします。柑橘系の果実の外皮のような苦みがきりりと引き締めてドライな後味をもたらし、清々しい後口にマスカットのような風味を余韻にたなびかせます。

何度試飲してもその鮮烈な香味に驚かされる「シンフォニー」。ふんだんに溶け込んだ甘い香りが甘さを錯覚させ、持ち前の清涼感とともに爽やかな甘やかな味わいを楽しませてくれる「オブセッション」です。