Yemanueva Airen 2017 Organic Wine
◆ボデガ・ラ・テルシア
「ボデガ・ラ・テルシア」は、スペイン中部の「カスティーリャ=ラ・マンチャ州」の中心部、「アルカサル・デ・サン・ファン」の町で1920年よりブドウ栽培とワイン醸造を行う家族経営のワイナリーです。所有する総面積45ヘクタールのブドウ園では、1988年から有機農法を実践。そのすべてが「D.O.ラ・マンチャ」の生産地域に属し、「テンプラニーリョ」と「アイレン」のふた品種のみを栽培。中にはフィロキセラを免れた古くからのブドウ園もあり、樹齢110年以上という古木も残されているそうです。
◆世界最大の生産地「ラ・マンチャ」
スペインのワイン生産量の49.3%を占める一大産地「カスティーリャ=ラ・マンチャ州」。この州でのブドウ栽培面積は18万ヘクタールを超えるともいわれ、一地域の栽培面積としては世界最大を誇ります。「メセタ高原」と呼ばれる標高600メートルほどの乾燥した高地に広がる栽培地は、夏の乾燥と猛暑によって、人の手を多く加えることなく病虫害の危険を免れることができるものの、この気候に適応するブドウ品種が限られ、「ボデガ・ラ・テルシア」では、「アイレン」と「テンプラニーリョ」の有機農法での栽培が行われ、健全に、よく熟したブドウから、心地よい口当たりの「イェマヌエヴァ・ワイン」が生み出されています。
◆「新しい蕾」
このページでご紹介のワインの名前である「イェマヌエヴァ(=Yemanueva)」は、「新しい蕾(=Yema Nueva)」を意味するスペイン語。製造元である「ボデガ・ラ・テルシア」のベースラインである「イェマヌエヴァ」は、フレッシュな香味を持ち味としたワイン。「大輪の花を咲かせる可能性を秘めたもの」というイメージで、「イェマヌエヴァ」なるワイン名が付けられました。
【ヴィンテージ】 | 2017 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | スペイン | 【地方】 | ラ・マンチャ |
【地区】 | シウダッド・レアル | 【村】 | アルカサル・デ・サンファン |
【品質分類・原産地呼称】 | D.O.フミーリャ | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | アイレン 100% | ||
【醸造・熟成】 | 熟成:ステンレスタンク | ||
【アルコール度数】 | 12.5% | 【色】 | 白 |
【種類】 | 白ワイン | 【タイプ】 | 辛口・ミディアムボディ |
グラスに注がれた「イェマヌエヴァ アイレン」は、微かにグレーがかった淡いイエローの色調を呈し、ほどよいボトル内での洗練を経たことをほのめかします。軽やかにグラスの中で揺れ動く液体の様子に優しく溶け込んだエキス分を見て取ることができ、艷やかな光沢で覆われた液面に純良なアルコール分の存在が示唆され、その奥からクリスタルのように澄んだ輝きが湧き上がり、豊富な酸とミネラル分が溶け込んでいることをありありと伝えます。軽やかな味わいをミネラル分が引き立てる鮮やかな飲み口を期待させる外観です。
グラスから立ち昇るのはグレープフルーツを想わせる爽やかな柑橘系の果実感。青林檎のようなフレッシュな果実を想わせる香りも優しく漂います。ミネラル分からの乾いた雰囲気のあるチョークの粉のようなニュアンスや青草のような若々しいニュアンスもそっと添えられ、このワインの香味にもたらされる爽やかさをほのめかしている印象です。
軽快な口当たりの液体は、微かに白い花のような清楚な、ほんのり甘やかな含みを携えて、透明感のある果実味に優しく色を纏わせます。酸味は柔らかく、穏やかに煌めきながら瑞々しさと若々しさを飲み口にそっと添え、軽やかながらも柔和な印象の味わいを楽しませてくれます。口の中に広がるのは、ライムのようなグリーンなイメージの柑橘果実フレーバーとスペアミントを想わせる柔らかな清涼感。ミネラル分からのドライなビター感が味わいに清々しさを与えつつ、香味を鮮やかに際立たせます。
飲み落とすと、レモンピールのような艷やかなビターな柑橘果実感が煌き、きりりと引き締めて爽快感のある後味を引き出します。瑞々しくもドライさが表現された後口に、カモミールのような香り高くビターなハーブ感が繊細でありながらも長くたなびきます。
ブドウ品種「アイレン」らしいスマートな果実味をミネラル感が鮮明に際立たせた、軽快でありながらもくっきりと鮮やかな香味を楽しませてくれる「イェマヌエヴァ ブランコ」。清々しい香味とともに現れる柔らかな清涼感が引き出したジューシー、かつ、ドライな果実感がいつまでも涼やかに飲ませてくれる、ラ・マンチャからの辛口・白ワインの逸品です。この機会にぜひ、ご体験ください。