Odfjell Vineyards
◆「オドフェル・ヴィンヤーズ」の始まり
ノルウェー・ベルゲンに本社を構え1914年から海運業を営む「オドフェル」の代表を務める「ダン・オドフェル」は、世界中を旅する中で、1980年代にチリのマイポ・ヴァレーを訪れます。その美しい景色と乾燥した気候に惚れ込み、マイポ・ヴァレーに根を下ろすことを決意。農業を営みたいという彼の生涯の夢が実現し、現在の「オドフェル・ヴィンヤーズ」の歴史のスタートとなりました。
「オドフェル」は家族経営のワイナリーで、有機農業とバイオダイナミック農法の原則に従って、ブドウ園の個性的な特徴を表現する、高品質の活気に満ちた有機ワインの製造に取り組んでいます。
◆有機農法ワイン「オドフェル」
「オドフェル・ヴィンヤーズ」が所有するブドウ園はすべて有機的に管理され、認証されています。合成農薬や除草剤、肥料の一切使用せず、ブドウ園の自然な調節を促進し、このバランスを保つため、天然成分のみを使用し、ブドウ栽培をしています。
2006年に所有するカウケネスとロントゥエのブドウ園で認証を開始。2012年にはすべてのブドウ園で認証を取得。初めてDEMETERの認証を取得したのも2012年でした。現在では「オドフェル・ヴィンヤーズ」が所有するすべてのブドウ園でバイオダイナミック農法が行われていることが認められています。
また、現行のヴィンテージでは天然酵母のみを使用して仕込まれているため、オドフェル・ワインはどれも使用されたブドウの個性を表現しています。
2012年に初めてDEMETER認証を取得しました。私たちのブドウ園の100%がバイオダイナミック農法であることを認めています。毎年更新されています。
◆サン・アントニオ・ヴァレー D.O.
このページでご紹介の「オドフェル アルマドール」に使用されているブドウ品種「ソーヴィニヨン・ブラン」は、チリの中で最も新しくできたアペラシオンのひとつ「サン・アントニオ・ヴァレー」で栽培されています。寒流のフンボルト海流が流れる太平洋まで距離が近く、冷涼な海風の影響を強く受けます。涼しい海風と強い日差しは白ブドウの栽培に適しています。
◆ベースライン「アルマドール」
オドフェルでは、7つのカテゴリーにワインを分類し、特徴を際立たせてワイン造りを行っています。オーナーの名を冠した「オドフェル(ODFJELL)」を筆頭に、所有するブドウ園や、ブドウ品種のブレンドごとに銘柄を使い分けてワインを生み出しているのですが、日本に輸入されているのは、単一のブドウ品種による「オルサダ(Orsada)」と、ベースラインのワインである今回ご紹介の「アルマドール(Almador)」のふたカテゴリーのみとなっています。
◆「アルマドール ソーヴィニヨン・ブラン」
人工的なものを最小限に抑えて栽培された「ソーヴィニヨン・ブラン」を手摘みで収穫後、ステンレス製のタンクを使用し、低温で、天然酵母によるアルコール発酵。新鮮な果実味を豊かに引き出し、そのままワインの香味に表現されています。
【ヴィンテージ】 | 2019 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | チリ | 【地方】 | アコンカグア |
【地区】 | サン・アントニオ・ヴァレー | 【村】 | - |
【品質分類・原産地呼称】 | サン・アントニオ・ヴァレー D.O. | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | ソーヴィニヨン・ブラン 100% | ||
【醸造・熟成】 | 熟成:ステンレスタンク | ||
【アルコール度数】 | 13.5% | 【色】 | 白 |
【種類】 | 白ワイン | 【味わい】 | 辛口・ミディアムボディ |
グラスに注がれた「オドフェル アルマドール ソーヴィニヨン・ブラン」は、ごく微かにグレーを溶け込ませた淡いイエローの色調を呈します。グラスの中で軽やかに揺れ動く液体の様子には優しく詰まったエキス分による軽快な飲み口が示唆され、艷やかな光沢に覆われた液面は純良なアルコール分や酸の豊富さによって引き出される引き締まった飲み口を伝えます。
グラスから豊かに立ち昇るのは、ソーヴィニヨン・ブランらしさが引き出された感のある爽やかな香り。グレープフルーツを想わせる柑橘系の果実感やパッションフルーツのようなトロピカルフルーツ感。さらに、レモングラスのような清々しいハーブ感に加え、品種特性でもある刈りたての芝生のようなグリーンなイメージの香りも嗅ぎ取ることができます。また、ミネラル分からの濡れた石のようなひんやりとしたニュアンスも感じられ、このワインの飲み口にもたらされる鮮明感や、ブドウ栽培地「サン・アントニオ・ヴァレー」の冷涼感が表現された涼やかな味わいを期待させてくれます。
口に含んだ瞬間から張りのある感触を覚える、若々しい酸味による溌剌とした口当り。しっかりと甘さを抑えながらも純良なエキス分からの微かな甘やかさが軽快にもたらされ、酸味との調和によってみずみずしい飲み口が表現されます。口の中に広がるのはレモンのような苦味と酸味を際立たせた柑橘果実フレーバーとペパーミントのような清涼感。ミネラル分によるものと思われるしなやかな舌触りが鮮やかに引き立てられた弾けるようなフレッシュな香味とバランス。適切なボリューム感へと昇華させ、芳醇な味わいをぱりっとした歯切れのよさとともに存分に楽しませてくれます。
飲み落とすとライムのようなグリーンなイメージの柑橘系の果実を想わせるビター感が清々しく引き締め、消え残る酸味がそっと唾液腺を刺激。マウスウォータリングな後口に、ミネラル的塩気を微かに感じさせつつ、セージのような爽やかなハーブ感の余韻を優しくたなびかせます。
ひと嗅ぎしてすぐにそれと分かる「青い」グリーンなイメージの香り立ちとシャープな酸味、弾けるような果実感。しっかりと甘さを抑え込んだドライな味わいはまるでボルドーの白ワインのようであり、みずみずしさを感じさせる華やかな果実感いっぱいの飲み口はニューワールドさながら。それでいて一貫して漂う清涼感が爽やかに楽しませてくれる、冷涼な土地「サン・アントニオ・ヴァレー」の特徴が見事に引き出された「オドフェル・ヴィンヤーズ」からの辛口白ワインの逸品「アルマドール ソーヴィニヨン・ブラン」です。この機会にぜひ、ご体験ください。