TORREDEROS Roble 2018 Ribera del Duero D.O.

■Bodegas Torrederos

1999年のワイナリーの完成とともにワインの醸造を開始した「ボデガス・トッレデロス（トーレデロス）」。所有する複数のブドウ畑はすべて、ワイナリーの5km圏内に分布しています。これにより、ブドウ園の継続的な管理が可能になり、製品の品質の継続性が保証されます。

ワイナリーの名前である「Torrederos」は「Torre de Ros」を表現。「Torre」は「塔」を「Ros」は「川」を意味するスペイン語で、ドゥエロ川（Ros）の近くに位置する700～900mの高地であるルエダを「塔」に見立てた名付けです。

■新樽熟成6ヶ月のローブレ感

「ローブレ（Roble）」は、「オーク」を意味するスペイン語。オークの新樽で熟成したことを表現する「トッレデロス ローブレ」なるワイン名。また、「ローブレ（Roble）」には、「逞しい人」とか「頑丈なもの」と訳すこともできます。オークの新樽で熟成し、引き出されたがっしりとした味わいをお楽しみいただけることをダブルミーニング的に訴えかける「ローブレ」なワインです。

グラスに注がれた「トッレデロス レセルバ」は、液体の中心部分に黒を溶け込ませた濃いめのガーネットの色調を呈し、若々しい色付きを見せつけます。艷やかな光沢で覆われた液面は純良なアルコール分の存在と健全な洗練が施されたことを示唆。また、液体の内側から浮かび上がるような柔らかな輝きは酸が豊富に溶け込んでいることをありありと伝えます。濃縮感のある果実味が溶け込んだ豊かな味わいを期待させる、色濃く、ゆったりとした質感を見て取ることができる外観です。

グラスから豊かに立ち昇るのは、すももやプルーンのような赤黒果実感。ブラックオリーブを想わせるマイルドな植物感もほんのりと漂います。樽熟成によって身に付けたと思われるカカオの比率が高めのチョコレートのようなビタースウィートなニュアンスや、八角やシナモンのような甘く清涼感のあるスパイス感もほのめかし、その複雑さを誇示。オーク樽からのまろやかなニュアンスが豊かな果実のアロマと綺麗に溶け合った印象の香り立ちは、バランスに優れたフレーバーがボリューム豊かな果実味と調和した芳醇な香味を期待させます。

マイルドな口当り。舌に染み込んでくるような液体は密度が高く、同時にボリューム感も豊かで、まろやか。さらに、熟成によって角を磨かれた豊富な酸味が柔らかな飲み口に貢献。濃縮感の

ある果実味に錯覚させられる甘やかさをより引き立ててほんのりとリッチな雰囲気までもを漂わせます。口の中に広がるのはさくらんぼのジャムのようなフレーバーやアーモンドを想わせる香ばしいニュアンス。

さらに、熟成樽からのカカオのようなビター感が適度な締りをもたらして重々しさを回避。複雑でありながらもしなやかな飲み口を爽やかな印象のままいつまでも楽しませてくます。

飲み落とすと果実味の塊のような味わいが静かに解けていき、張りのある酸味が口中に綺麗な残響をもたらします。同時に微かな甘さが漂う後口にカフェモカを想わせるビタースウィートな余韻が柔らかく、長くたなびきます。

新樽での熟成で得たたっぷりとした香味をボトル内での洗練によってほどよいリッチさと落ち着いた果実感を兼備。ボリューム感を保ち、力強さを発揮しながらも、携えた涼やかな風味が重苦しさを感じさせることなく豊かな香味を楽しませてくれる100％のテンプラニーリョによる辛口・フルボディの逸品「トッレデロス ローブレ」です。この機会にぜひ、ご体験ください。