【ヴィンテージ】 | 2014 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | フランス | 【地方】 | ラングドック・ルーション地方 |
【地区】 | ラングドック | 【村】 | リムー |
【品質分類・原産地呼称】 | リムー A.O.C. | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | メルロー 46%、カベルネ・フラン 28%、シラー 13%、カベルネ・ソーヴィニヨン 4%、マルベック 9% | ||
【醸造・熟成】 | 12ヶ月 新樽:25~50% 残りを1~3年使用樽 | ||
【アルコール度数】 | 14.5% | 【色】 | 赤 |
【種類】 | 赤ワイン | 【味わい】 | 辛口・フルボディ |
フランス・ボルドー地方の第一級格付けのワインとしてよく知られる「シャトー・ムートン・ロートシルト」の造り手「バロン・フィリップ・ロートシルト」による南フランス・リムー産の赤ワインのご紹介です。
カリフォルニアの「オーパス・ワン」や、チリの「アルマヴィーヴァ」と同じように、現地のワイナリーである「ヴィニュロン・ド・シュール・ダルク(Vignerons du Sieur d’Arques)」とのジョイントベンチャーによって生み出されたワイン「バロナーク」。貴族の称号「バロン(Baron)」と、造り手の名前「アーク(Arques)」を組み合わせたワイン名「バロナーク(Baronarques)」が生まれました。そんな「バロナーク」ですが、2003年からは単独でのワイン造りとなっています。
本拠地のあるボルドーからそう遠くないフランス南方「ラングドック」の「リムー」西端の冷涼な地に、1998年12月に敷地を購入。3つの「大西洋」品種(メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、カベルネ・フラン10%)と、3つの「地中海」品種(シラー10%、マルベック10%、グルナッシュ10%)を植樹。品質を保つために、所有する47ヘクタールのブドウ畑のうちの10ヘクタールには1ヘクタール当り7500本を、残りのブドウ畑では1ヘクタール当り4600本の葡萄の樹を植えて、1ヘクタール当りの植密度を高く設定。これは、密集した畑でブドウ樹が他の樹に負けまいとより多くの栄養素を得るために根を深く伸ばすことで、夏の強い日照にも立ち向かえるくらいの強さを得る事ができ、また、エキスたっぷりのブドウの実を収穫することができるのです。
古くは「メトード・アンセストラル」による伝統的なスパークリング・ワインのみがA.O.C.として認められている土地であった「リムー」ですが、1959年に白ワインが認められ、赤ワインの認可は2004年。それはこの「ドメーヌ・ド・バロナーク」の品質の高さがA.O.C.に赤ワインを認可させたといっても過言ではありません。
バック・ラベルにはフランス語と英語で以下のような記述がありました。
Depuis son acquisition en 1998 par la Baronne Philippine de Rothschild et ses deux fils, Philippe Sereys de Rothschild et Julien de Beaumarchais de
Rothschild,Domaine de Baronarques constitue une véritable référence au sein d’une des plus anciennes régions viticoles de France. L’encépagement du Domaine est composé de cépages bordelais(Merlot, Cabernet franc, Cabernet sauvignon) et de cépages méditerranéens (syrah et malbec).Un assemblage complexe confere a ce grand vin rouge son élégance, son fruité et sa finesse aromatique. Grace a la qualité de son terroir et de ses vins, Domaine de Baronarques tient dignement son rang parmi les célebres Chateaux de la famille.
Since its acquisition in 1998 by Baroness Philippine de Rothschild and her two sons,Philippe Sereys de Rothschild and Julien de Beaumarchais de Rothschild,Domaine de Baronarques has set standard for one of Frasce’s oldest winegrowing regions.The estate is planted with Bordeaux varieties (Merlot,Cabernet Franc and Cabernet Sauvignon) and Mediterraneau varieties (Syrah and Malbec).A complex blend gives the wine its elegance,its fruit and its refined aromas and flavours.Though the quality of its terroir and its wines,Domaine de Baronarques take its rightful place alongside the family’s other illustrious estates.
1998年にBaroness Philippine de Rothschild(フィリピーヌ・ド・ロートシルト)と彼女の2人の息子Philippe Sereys de Rothschild(フィリップ・セレイ・ド・ロートシルト)とJulien de Beaumarchais de Rothschild(ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロートシルト)に買収されて以来、ドメーヌ・ド・バロナークはフランス最古のワイン醸造地域のひとつの基準を打ち立てることとなりました。エステートには、ボルドーの品種(メルロー、カベルネフランとカベルネソーヴィニヨン)と地中海の品種(シラーとマルベック)が植えられています。複雑なブレンドはワインに洗練された香りと味わい、果実感をもたらし、優雅さを引き出すのです。そのテロワールとそのワインの品質は、ドメーヌ・ド・バロナークにファミリーの他の輝かしいエステートと並ぶ相応しい立場を手に入れるに至りました。
そんな「ドメーヌ・ド・バロナーク 赤」、グラスの中で紫がかった黒っぽいルビーに染まります。液体を透かして向こう側を見ることなどできないくらいのしっかりとした色付きと、液面に見える艶やかさや、縁まで詰まらせている色付きが、このワインの若々しさをありありと見せつけます。口当たりにもたらされる力強さを想像させる、イキイキとした印象の外観です。
グラスから立ち昇るのは力強く若々しい、絶え間なく湧き上がるようなアロマに満ちた、複雑さを秘めた深い香り立ち。しっかりと熟したプラムやブルーベリーのジャムのような果実を想わせるニュアンス。カベルネ的なミントや、シラーによる花のような香り、さらには樽熟成からのバニラやスモーキーさが漂い、心地よいアクセントとして豊かな芳香に締まりを与えています。フレッシュさを感じさせる溌溂とした香りは、味わいに広がる豊かな果実味を容易く想像させてくれます。
口当たりからパワフルな「バロナーク 赤」。がっしりとした厚み、大きなボリュームのある果実味を明るく照らすような快活な酸味が爽やかさを引き出し、さらに滑らかな渋味成分の甘やかな味付けによってまろやかな飲み口を表現。口の中にほのかなスパイス感が滲み、同時にブラックベリーのような、甘酸っぱさと、微かな苦みの調和した果実フレーバーが広がります。
飲み落とすと、八角のような清涼感を伴った甘いスパイス感のある後味。酸味と強めのアルコール感によって清々しく洗い流された後口にバラの花や紫蘇のような赤い色のイメージの余韻が馥郁とたなびきます。
南フランスのワインならではに濃厚な果実味、豊かなアルコール分(14.5%)が展開されながらも暑苦しさを感じさせない飲み口は、冷涼な「リムー」らしさがありありと現れている印象。さらに、複数のブドウのブレンドによって生み出された複雑な香味が綺麗にまとまり、エレガントともいえる調和を楽しませてくれます。
南フランスやチリの親しみやすい赤ワインを飲む方にとっては少し素っ気ない印象をお持ちになられるかもしれませんが、お食事とともにお飲みになることで相乗し、飲・食、双方にもたらされる豊かさをお楽しみいただけます。また、ボルドーの赤ワインがお好きな方には迷わずおすすめしたい香味のワインです。この機会にぜひご体験ください。