【ヴィンテージ】 | 2018 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | アメリカ | 【地方】 | カリフォルニア州 |
【地区】 | ノース・コースト | 【村】 | ナパ・ヴァレー |
【品質分類・原産地呼称】 | ナパ・ヴァレー A.V.A. | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | カベルネ・ソーヴィニヨン 100% | ||
【醸造・熟成】 | オーク樽 20ヶ月 | ||
【アルコール度数】 | 14.5% | 【色】 | 赤 |
【種類】 | 赤ワイン | 【タイプ】 | 辛口・フルボディ |
アメリカ・カリフォルニア州の造り手「プレシジョン・ワイン・カンパニー」による赤ワインのご紹介です。ワイン名であり、ワイナリーの名前でもある「Precision(=プレシジョン)」は「精密さ」や「正確さ」を表す言葉です。カリフォルニアにあるワイン産地の、他にはない素晴らしい特徴を正確に表現し、卓越した、多様なワインを生み出すため、細部にまで精密にこだわり抜いたワイン造りを行っています。
ラベルに描かれているのは歯車。大きな歯車の中に大小様々な形をした歯車がぎっしりとひしめき、さらにその歯車から広がっていく円と、歯車から伸びる直線、さらにそれらが交差する部分にはそれぞれギリシャ文字が記されています。また、このワインのヴィンテージである「2018」の記述の下には「図1」を表す英語表現である「fig.1」を表記。幾何学の図表のようにも見えるそのラベルは「プレシジョン」ワイナリーの細部にまでこだわるワイン造りの「精密さ」を想起させます。小さな歯車が大きな歯車を動かし、一つにまとまることでより大きな円へとその広がりを拡大していくように、ひとつひとつの工程を精密に行うことで大きなスケールとまとまりのある香味をもったワインが生み出されたことを、また、その工程を図表で表せるほどの正確さで手順を踏み造られた緻密さも兼ね備えたワインであることを表現していると読み解くことができます。
今回ご紹介のワイン「プレシジョン」はすべて、ナパ・ヴァレー内、セント・ヘレナとヨーントヴィル、ハウエル・マウンテン、3つの地域から収穫されたカベルネ・ソーヴィニヨンを使用しています。
グラスに注がれた「プレシジョン カベルネ・ソーヴィニヨン」は、紫がかったやや濃いめの赤、ガーネットの色調を呈し、その液体の若々しさを伝えます。真上から覗き込んだ液体はわずかにグラスの底を透かしてみることができるくらいの、カベルネ・ソーヴィニヨンとしては優しい色付き。液面を艷やかな光沢で覆い、その奥から柔らかな輝きを浮かび上がらせ、純良なアルコール分と豊富な酸の存在を伝えます。グラスの中で揺れ動く液体の様子は、カベルネ・ソーヴィニヨンのワインで想像するよりも遥かに軽やかで、不自然な抽出をしていない、ピュアなエキスの存在をほのめかす外観です。
グラスから豊かに立ち昇るのは、スミレの花を想わせる甘やかで清楚なフローラルやカシスリキュールのような濃縮感のある果実感。また、スペアミントのような柔らかな清涼感やミネラル分からと思われる鉛筆の芯のような硬質な印象の香り、さらには、オーク樽熟成によるバニラのような甘やかなニュアンスもほのかに漂います。様々な香りの要素がふわりと湧き上がり、その優しいニュアンスを伝える涼やかな香り立ち。オークからの樽香も果実の香りと美しく溶け合い、カフェ・モカのようなビタースウィートなフレーバーを漂わせている印象です。
滑らかな口当たり。軽やかに広がる液体は、舌に染み込んでいくような柔らかな質感を呈しつつ、綺麗に溶け込んだ果実味と爽やかな甘さを優しく滲ませます。酸味にも円みがあり、よく熟れた印象で、甘やかな果実感を引き立てるように落ち着いた煌きを表現。口の中に広がるブルーベリーのジャムを想わせる濃縮感のある甘やかな果実フレーバーを鮮やかに際立たせます。渋味成分は甘く香ばしい味付きがあり、わずかな収斂の感触がありながらもマイルドさは保たれ、ほどよいボリューム感と厚みのある味わいを適度な力強さを携えて楽しませてくれます。
飲み落とすと、甘やかさがボリュームを落ち着かせ、酸味や渋味との美しいバランスを展開。ほのかなスモーキーさを漂わせる後口にカフェモカのようなビタースウィートな余韻を果てしなく長く漂わせます。
良い意味でカリフォルニアのワインらしくない、インパクトを抑えたマイルドな口当たりのナパ・カベルネ。ほんのり甘さを漂わせながらもオーク樽熟成による香ばしさや、持ち前のミント感が適度な引き締まりをもたらし、ボリュームの大きな厚みのある味わいを爽やかに楽しませてくれる図表ラベル「プレシジョン」です。この機会にぜひ、ご体験ください。