◆Cigno Moro
ワイナリー名の「Cignomoro」は「暗色の白鳥(=Cigno Moro)」を意味するイタリア語です。プーリア州の造り手らしく黒っぽい色をワインに表現する「ネグロアマーロ」を中心に据えたワイン造りをする造り手ならではに「Nero(=黒)」ではなく「Moro(=黒っぽい)」をチョイス。さらに、彼らが生み出す「ワイン」を渡り鳥である「白鳥」になぞらえ『世界中へ旅をする(=輸出される)』ワインの造り手であることを伝えています。
◆ドットラベルのプーリア・ワイン
ラベルに描かれているのはプーリア州を代表する耳の形(=Orecchie)に似た小さなドーム型のパスタ「オレッキエッテ(=Orecchiette)」をモチーフにしたもの。山の部分とくぼみの部分を描き分けて並べられた丸は、ポップなイメージのコインドット感があり、色使いも相まって南イタリア・プーリア州の温かな雰囲気を感じられるデザインです。
◆スパイシーさを表現するワイン名「ぺぺ・ネーロ」
また、ワイン名の「Pepe Nero」は「黒コショウ」を意味するイタリア語。ネグロアマーロとプリミティーヴォ、マルヴァジーア・ネーラ、3つの品種ブレンドによる、スパイシーな香味がワインに表現されていることをストレートに伝えるワイン名です。
【ヴィンテージ】 | 2018 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | イタリア | 【地方】 | プーリア州 |
【地区】 | ターラント | 【村】 | カロジーノ |
【品質分類・原産地呼称】 | プーリア I.G.T. | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | ネグロアマーロ 40%、プリミティーヴォ 30%、マルヴァジーア・ネーラ 30% | ||
【醸造・熟成】 | 発酵:温度制御装置付ステンレス製タンクでマチェラツィオーネ | ||
【アルコール度数】 | 13.5% | 【色】 | 赤 |
【種類】 | 赤ワイン | 【味わい】 | 辛口・フルボディ |
イタリア・プーリア州の造り手「チンニョモーロ(チーニョモーロ)」による、辛口・フルボディの赤ワイン「ペーペ・ネーロ(ぺぺ・ネロ) 2018」のご紹介です。
グラスに注がれた「ぺぺ・ネーロ 2018」は、ガーネットの色調を液体全体に行き渡らせ、艷やかな光沢で液面を覆い、純良なアルコール分やエキス分の存在を示唆し、その健全さを伝えます。果実味芳醇さ、バランスに優れた瑞々しい飲み口を期待させる外観です。
グラスから立ち昇るのは、「ぺぺ・ネーロ」の名に違わぬスパイス感。黒コショウに加え、クローヴを想わせる甘スパイシーなニュアンスも感じられます。プルーンやブラックベリーのような黒っぽい果実感やバラの花のようなフローラル、黒糖のような甘香ばしさや、オーク樽熟成を施したかのようなほのかなビターチョコレートを想わせるまろやかな香ばしさも漂います。3つのブドウ品種の特徴をしっかりと引き出しつつ、ブレンドしたワインらしく、捉えきれないほどの香りの要素が次々に現れる、複雑な香り立ちです。
密度の高い果実味によって甘さを錯覚するほどのまろやかな口当たりを表現。さらに、柔らかな酸味が煌き、バランスして飲み口に瑞々しさがもたらされます。ブルーベリーのジャムのような濃縮感のある果実フレーバーが濃厚な果実味に甘やかさを纏わせ、紫蘇梅のような、酸味を想起させる風味とともに爽やかに楽しませてくれます。渋味成分にも甘やかな味付けが感じられ、優しい引き締めが展開されながらも、コクが追加され、味わいに厚みが加わる印象です。
飲み落とすと、ココアのようなビタースウィートな後味が際立ち、ゆっくりとそのボリュームを落としていき、入れ替わり、引き継ぐようにして、スミレの花を想わせる風味が清楚に優しい余韻をたなびかせます。
やや強めのインパクトとまろやかさのあるアタックに『こってり旨濃赤ワイン』のような雰囲気を感じるものの、甘ったるさや重苦しさは皆無。的確な芳醇さをフレッシュな質感の爽やかさと共に楽しませてくれる、バランス感が素晴らしい、鮮明感のある味付きの「ペーペ・ネーロ 2018」。熟成についての正確な情報が得られなかったため不明ですが、試飲した結果としてはオーク樽での熟成はしていないと思われます。が、マルヴァジーア・ネーラからのビターチョコレート感が樽熟成したかのようなニュアンスを感じさせる、まろやかな風味が心地よい「サレント I.G.T.」です。この機会にぜひ、ご体験ください。