【ヴィンテージ】 | 2012 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | アメリカ | 【地方】 | カリフォルニア州 |
【地区】 | ノース・コースト地区、セントラルコースト地区 | 【村】 | メンドシーノ郡、モントレー郡、サンタ・バーバラ郡 |
【品質分類・原産地呼称】 | - | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | シャルドネ 100% | ||
【醸造・熟成】 | フレンチオーク樽・アメリカンオーク樽 | ||
【アルコール度数】 | 13.9%(13.5%表記) | 【色】 | 白 |
【種類】 | 白ワイン | 【タイプ】 | 辛口・フルボディ |
アメリカ・カリフォルニア州の3つの地域から収穫されたシャルドネによるワイン「メナージュ・ア・トロワ」のご紹介です。「メナージュ・ア・トロワ」は「三人婚」を意味するフランス語。それになぞらえて3つの地域や3つのブドウ品種など、単一でない、ブレンドによる造りが表現されたワインとして、アメリカでブレンドのワインが流行する以前から「メナージュ・ア・トロワ」は人気を博してきました。
そんな「メナージュ・ア・トロワ」の「シャルドネ」を主体に造られた白ワインです。高級ワイン生産地区としてよく知られたノース・コーストの「メンドシーノ郡」と、カリフォルニア州最大の生産地区であるセントラル・コーストの「モントレー郡」「サンタ・バーバラ郡」という3つの産地からの「シャルドネ」のブレンドによる辛口・フルボディ。豊かな果実味と歯切れのよい酸味の美しい調和とそこに溶け込んだ樽熟成によるニュアンスが心地よい味わいを楽しませてくれるワインです。
2019年7月13日(土)試飲
グラスの中の「メナージュ・ア・トロワ シャルドネ 2012」は、微かにオレンジがかったゴールドの色調を呈します。グラスの中で満遍なく輝きのある美しい色を行き渡らせ、ボトルの中で健やかに年月を経て熟成されたことを伺わせます。持ち前の濃い色付きをさらに向上させ、艶やかに光沢を纏いつつ、緩やかに揺れ動きながら差し込んだ照明を鏡面のように反射させます。また、真上から覗き込むと、シルバーの筋に虹色をつけた光を見せ、純良なアルコール分が溶け込んでいることをありありと伝えます。
立ち昇る香りは、樽熟成によるスモーキーさと、それが解け、馴染みつつあることをほのめかすバターのようなニュアンス。その奥に潜むライムやレモンのような鮮烈な酸味を迸らせるような果実感があり、さらにスパイスのようなビター感とほのかな甘い香り立ちを感じられます。若かりし頃には苦みを前面に出し、硬い舌触りを呈していたワインですが、ここへきてこなれ、丸みを感じるまろやかでリッチな雰囲気を身に付け始めている印象です。
しっかりとした重みのあるまろやかな口当たり。溶け込んでいる果実味は流麗に、舌の上を滑るように広がり、目の覚めるような酸味を引き連れて、瑞々しくも力強い飲み口を表現。樽熟成による香ばしいニュアンス、果実味から滲み出すビターオレンジのような果実フレーバー、カモミールのような苦みが適切なアクセントとして添えられ、歯切れのよさを引き出し、爽やかに、高い位置で調和したボリュームの大きな味わいを楽しませてくれます。
飲み落とした後には清々しいスパイシーなビター感の残響と、その後をスムーズに引き継ぐような綺麗な口どけ。静かに波が引いていった後口に、ベルガモットを想わせる風味が繊細にたなびき、心地よい余韻を楽しませてくれます。
カリフォルニアのシャルドネらしいふくよかな果実味と「ABC」的な樽熟成感を、ボトル内の洗練によって綺麗なまとまりを身に付け始めた印象の「メナージュ・ア・トロワ シャルドネ 2012」。眠っていた年月の分、コルクを抜いた後、本領を発揮するまでに多少時間がかかります。が、それでも、本領ではないとはいえ充分に美味しいワインです。ちびちびと飲みながら、その片鱗を感じ、ゆっくりとお目覚めを待ちつつお楽しみください。