Villiera Vineyards
「ヴィリエラ・ヴィンヤーズ」は、南アフリカのステレンボッシュ地域にある家族経営のワイナリーです。環境の保全に真摯に取り組む、BWI(Biodiversity and Wine Initiative)の会員であり、多くの賞を獲得してきた先駆的な高品質のワインメーカーです。瓶内二次発酵のスパークリングワインである「キャップクラシック」を中心に多種多様なワインを製造。ソーヴィニヨン・ブラン、シュナンブラン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンで高い評価を得ています。
◆BWI(Biodiversity and Wine Initiative)
南アフリカのワイン業界が国際的な環境保護団体と協力して設立した組織です。ワイン産地の90%が「ケープ植物区保護地域群」に位置しているため、ブドウ畑を拡張することも自由にはできません。その際に、ワイン生産者はこのBWIと協力して環境を守りながらワイン造りをしています。
■低収量ブドウによる高品質ワイン
約170ヘクタールのブドウ畑を所有するヴィリエラ・ワイナリー。1ヘクタール当り8トンという高級ワインに並ぶほどの低収量で収穫するブドウの高い品質を保ち、上質なワインが製造されます。
■ヴィリエラ第4世代へ
ヴィリエラ・ワイナリーを運営するグリア家は現在、4世代目へと受け継がれていく最中にあります。初代から2代目はワイン作りとは無縁の養鶏業などの業種を選びましたが、現当主である3代目のジェフリーが家業である家禽と合う飲み物に興味を持ち、1983年に従兄弟のサイモンと協力し、現在の家業であるヴィリエラ・ワイナリーを設立しました。
現在ワインの醸造を担当している、4世代目で初めてワイナリーに加わったアレキサンダーは、大学でフード・サイエンスを専攻しましたが、自分には不向きであると、南アフリカ国内のみならず海外のワイナリーへと出向き、ワイン生産者としての12年間の経験を積んだ人物です。フード・サイエンスを学んだ経験からもあり、ラベルやボトルに表示はありませんが、ヴィリエラ・ワイナリーで製造されるワインはすべて完全菜食主義の方に向けた、ヴィーガンフレンドリーなワインとなっています。
【ヴィンテージ】 | 2018 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | 南アフリカ | 【地方】 | ウエスタンケープ州 |
【地区】 | コースタル地域 | 【村】 | ステレンボッシュ |
【品質分類・原産地呼称】 | W.O.ステレンボッシュ | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | モスカート 51%、ゲヴュルツトラミネール 27%、リースリング 22% | ||
【醸造・熟成】 | ステンレスタンク | ||
【アルコール度数】 | 12.9% | 【色】 | 白 |
【種類】 | 白ワイン | 【味わい】 | やや辛口・ライトボディ |
南アフリカで最も優れたワインの生産地として知られる「ワインランド」の一角、コースタル地域・ステレンボッシュ地区からの「ヴィリエラ・ワインズ」によるやや辛口の白ワイン「ジャスミン フレグラント・ホワイト」のご紹介です。
今回ご紹介のこちらの白ワイン、ただのホワイトではなく「フレグラント」なホワイト。「フレグラント」は「香りのよい」とか「芳しい」を意味する英語で、このワインの原料ブドウとして使用される「モスカート」「ゲヴュルツトラミネール」「リースリング」から引き出されたワインから立ち昇る香りの芳しさをストレートに、シンプルに表現しています。
グラスに注がれた「ジャスミン フレグラント・ホワイト」は、微かにグレーを溶け込ませた淡いイエローの色調を呈します。艷やかな光沢で覆われた液面は磨き込まれたかのように滑らかな雰囲気を見て取ることができ、純良なアルコール分と豊かなエキス分の存在をありありと伝えます。また、輝きに溢れる液体は、液体の健全さを示唆。さらに、グラスの内側におびただしい数の炭酸の泡の小さな粒を張り付かせ、口当りにもたらされるフレッシュさを想像させます。
グラスから立ち昇るのは「フレグラント・ホワイト」の名が表すとおりの芳しさ。バラのようなフローラル感やライチを想わせる瑞々しい果実感、モスカートそのものなマスカットの香りや、コリアンダー・シードやカルダモンのようなスパイス感も「ゲヴュルツ」ならではに漂います。アロティックなブドウ3品種のブレンドのワインらしくしっかりと鼻腔を満たすその芳香は、寝起きに嗅げばたちまち目が覚めそうなくらいの、強烈とも言い得る香り立ちです。
開けたて、注ぎたてで口に含むと微炭酸の心地よい刺激と柔らかな果実感が溶け合い、爽やかな甘やかさを広げます。酸味はきめ細かく柔らかく、果実味を引き立てるかのように優しく煌き、マイルドな中に瑞々しさを表現。口の中に広がるのは、グレープフルーツを想わせる清々しいビター感を伴った柑橘果実感とトニック・ウォーターのような清涼感のあるフレーバー。グラスから立ち昇っていた高貴な香気を抑え、表情を変化させ、甘やかさを滲ませながらも、ひんやり、涼やかに、その味わいを楽しませてくれます。
飲み落とすと、甘みと苦みが調和した風味をゆっくりとボリュームを絞り、じんわりと落ち着けながら、生姜を想わせるひりっとする後味へと引き継ぎます。爽やかさが引き出された後口に、ライムのような艷やかなビター感の余韻が清々しくたなびきます。
通常の辛口の白ワインより僅かに多めの残糖分を感じられる「やや辛口」の味わいに芳しい香りが相乗し、爽やかな甘やかさを楽しませてくれる「ジャスミン フレグラント・ホワイト」。豊かな果実感に調和する酸味と苦みの適切なバランス感が瑞々しい飲み口をより引き立てている印象の南アフリカ「ヴィリエラ」からの逸品です。この機会にぜひ、ご体験ください。