【使用米】山田錦 55%精米
【アルコール度数】15度以上16度未満
【使用酵母】協会9号酵母
【日本酒度】非公開
【酸度】非公開
【おすすめの召し上がり方】常温~お燗
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
埼玉県「神亀・ひこ孫」の神亀酒造による「神亀」29BYの「ひやおろし」が到着しました。「ひやおろし」は、毎年8月下旬の「吞み切り」で、神亀酒造の多数あるラインナップの中から選抜し決定しているそうです。そんな「呑み切り」に於いてリリースされることとなった「ひやおろし」は、55%精米の山田錦による純米酒。スタンダードな純米酒でさえ3年以上熟成をしてから出荷される「神亀」ですので、ひと夏熟成だと、まだまだ若い範疇にあるお酒。ですが順調な経過、仕上がりをしている印象との事で今後も大いに楽しみな「ひやおろし」です。
グラスから立ち昇る、「神亀」らしいスモーキーなニュアンス。ソテーしたタマネギや、ローズマリーのようなハーブを想わせるニュアンスも嗅ぎ取ることができます。とても若く、艶やかな香り立ちながらも、すでに身に付けていたと思われる落ち着いた印象を適切に調和させた心地よい香り立ちです。
よく冷やした「純米 ひやおろし」は、きゅっと引き締まった舌触りが爽やかで、清々しいビター感が際立った飲み口。豊かな旨みをしゃきっと際立たせ清々しく飲ませてくれる清涼感とキレのある辛口です。
常温だとまろやかさが感じられます。しっとりとした旨みをきめ細かな酸がきゅっと優しく引き締め、マイルドでありながらもでピリッとスパイシーな味わいを豊かに表現。飲み落とした後はふっと、解けて消えていくようなサラリとしたキレ。ほのかに甘く繊細な苦みの余韻が漂います。
40℃前後に温めると旨みは軽快に、酸もやや張りを穏やかにして、ゆるゆるとした印象の飲み口を表現。軽やかな舌触り、すっきりとした味わい、スムーズに流れていくような塗る冠をお楽しみいただけます。
45℃前後に温まると旨みが豊かさを獲得。鮮やかさを増した酸が旨みと高い位置でバランスして、しっかりとした味わいを鮮明に、それでいてしっかりとキレのある辛口の上燗へと表情を変えます。
50℃~55℃に温めると、伸びやかに、スマートな旨みを軽快に広げます。滑らかな舌触りは保ったまま、しなやかにその豊かさを伝え、鮮やかさを増した酸、豊かに湧き上がった苦みが清々しい飲み口を表現。すっきりとしていながらも、余韻に閃く苦みが共にする食事の味わいを引き立ててくれる熱燗を楽しませてくれます。
普段は「熟成」というメイクアップによって隠されていた、「神亀」の素顔を見られたような感じのする「ひやおろし」。旨み豊かで活気のある酸を携え、調和させた力強さを楽しませてくれます。まだまだこれから本領を発揮する印象の若々しい張りが前面に押し出された味わい。すでに充分美味ながらも、さらに年月の経過によって纏うであろう重厚さやまとまりがとても楽しみな「神亀 純米 ひやおろし 29BY」です。