【使用米】滋賀県産米 50%精米
【アルコール度数】14%
【使用酵母】野生酵母
【日本酒度】非公開
【酸度】非公開
【おすすめの召し上がり方】冷酒
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
滋賀県で日本酒「笑四季」を醸す笑四季酒造による「バニラアンサンセ」のご紹介です。
今回こちらのページでご紹介するのは「セミドライ」と「スイート」とふた通りの「ヴァニラアンサンセ」があるうちの「セミドライ」。
『意図しない野生酵母の混入を招いたことで、奇跡的にバニラや杏にも似たなんとも滋味深い味わいを有した佳趣な酒に仕上がり、人気を博し』た、今回ご紹介させていただく「バニラアンサンセ」の基礎となるお酒。「セミドライ」と「スイート」と、ふた通りの「ヴァニラアンサンセ」がご用意された『2019-20シーズンにおける最怪作』です。
このお酒の名前である「ヴァニラ・アンサンセ」は「非常識なバニラ」の意味のフランス語。意図せず混入してくる野生酵母の「非常識」さによって奇跡的に引き出されたバニラ感をストレートに表現するネーミングです。
ラベルに描かれているのは、熱帯の植物「モンステラ」と、南国のシンボル「ヤシ」そして「シダ」。
「モンステラ」は、「バニラアンサンセ」が熱帯の果実(トロピカルフルーツ)を想わせる香味を有していることを表現。「ヤシ」はそのままココナッツの風味を、シダは、日本酒「笑四季」でしばしば出会う野趣やグリーンなイメージを表現。また、胞子で繁殖する「シダ」は、意図せず混入し、お酒の中で繁殖した野生酵母を表現していると捉えることもできます。
ココヤシの花言葉は「思いがけない贈り物」「固い決意」「成功」。シダの花言葉は「愛らしい」「愛嬌」「魅惑」。モンステラの花言葉は「うれしい便り」「壮大な計画」「深い関係」。
以上を踏まえてラベルを読み解くとするならば、意図しない野生酵母の奇跡的な働きによって「うれしい便り」「思いがけない贈り物」が届けられ、その働きには「愛嬌」さえ感じられる。そしてこの「ヴァニラアンサンセ」が今後「壮大な計画」になり得ること、さらに野生酵母との「深い関係」が築かれていると解釈することができます。
黒や青、緑などの暗い色は「絶望」を、淡いピンクや赤はにわかに舞い降りてきた「希望」をそれぞれ表現。野生酵母の混入によって商品としてリリースできないという絶望が、奇跡的に滋味深い香味のお酒に仕上がっていたということで希望へと変わっていく様子を描いていると言えます。
そんな「ヴァニラアンサンセ」が注がれたグラスは、うっすらとグレーがかった淡いイエローの色調を呈し、その若々しさと健全さをありありと表現。また、落ち着いた光沢で覆われた液面に虹色を伴ったシルバーの細い筋を走らせ、純良なアルコール分とエキス分の存在を示唆します。さらに、その奥からクリスタルのような澄んだ輝きが放たれ、溶け込んだ酸の豊富さを伝えます。グラスの中で軽快に揺れ動く様子を見るにつけ、若々しく軽やかな味わいを想像できます。
グラスから立ち昇るのは、求肥を想わせるしっとりとして甘やかなお米感。ココナッツのような爽やかで甘いニュアンスや砂糖がけアーモンドのような香ばしく甘いナッツ感も漂います。穏やかな香り立ちにスマートさが感じられるものの、特徴的なそれぞれの甘い香り成分が過不足なく、的確にニュアンスを伝えてくる芳香は、味わいに伴って広がるフレーバーの豊かさを期待させます。
軽快でありながらも濃縮感のある、きめ細かな旨みの滑らかな口当たり。チャーミングな酸味と柔らかな甘みが調和して引き出される瑞々しい飲み口。口の中に広がるのは、クリームブリュレのような香ばしく甘いフレーバーと洋梨のような艷やかでまろやかな果実感。
飲み落とすと、カラメルソースを想わせる後味がじんわりと広がり、そのビタースウィートな風味を柔らかく解き、優しい口溶けを展開。微かな残響がこだまする後口にバニラを想わせる上品な甘い余韻が繊細にたなびきます。
『野生』の酵母と聞いてイメージするような荒々しさや雑味はまったくなく、つるりと磨かれたような舌触りと、綺麗なまとまりのあるほどよく抑えられた優しいボリューム感が心地よい飲み口を楽しませてくれる「ヴァニラアンサンセ」。柔らかな酸味としっとりとした甘さが調和したマイルドな味わいながらも香ばしい風味のアクセントが飲み飽きさせない、ほどよく引き締まった質感が引き出された「セミドライ」です。この機会にぜひ、ご体験ください。