【使用米】奈良県酸山田錦 50%精米
【アルコール度数】16%
【使用酵母】速醸(酵母無添加)
【日本酒度】非公開
【酸度】非公開
【おすすめの召し上がり方】冷酒
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
奈良県で日本酒「花巴(はなともえ)」を醸す、美吉野(みよしの)酒造による生熟成酒のご紹介です。速醸酛ながら酵母無添加で仕込まれた純米吟醸酒を低温で6ヶ月熟成し、加水・火入れをする事なく瓶詰めされた無濾過の生原酒です。
商品名にある「弓絃葉(ゆづりは)」は、トウダイグサ科の常緑高木「弓弦葉(ゆずるは)」の古代の呼び名。春に出た新しい葉が成長するのに合わせて、元々あった大きく成長した葉が一斉に落ちるという特徴から「代を譲る」という意味を携えた「譲葉(ゆずりは)」という名前が付けられたというもの。転じて、春に搾った新酒を生のまま、新しい葉を育てるかのように低温で貯蔵熟成。弓絃葉のように、先に生み出された酒を凌駕するほどの香味をお楽しみいただけるまでに洗練されたということを表すメタファーとしてのネーミング、と解釈することができます。
以前は酵母無添加の酒に、ひらがなで「はなともえ」そして「弓絃葉」を記述したラベルを付していたとのことですが、生み出す酒のすべてを酵母無添加とした現在では『温度管理という技術を使って醸す酒に弓絃葉ラベルを』付しているとのこと。
そんな「弓絃葉 純米吟醸 無濾過生原酒」が注がれたグラスは、淡いイエローゴールドの色調を呈します。艶やかな液面がエキス分の豊かさと純良なアルコール分の存在を伝え、その奥から放たれる明るい輝きは、豊富な酸が溶け込んでいることを示唆。日本酒「花巴」ならではの、エキス分に満ちた芳醇な香味を想像せずにはいられない煌々たる外観です。
グラスから立ち昇るのは、ひと嗅ぎしてすぐに日本酒「花巴」とわかる、丸みを帯びた酸が前面に出たニュアンス。ヨーグルトクリームやレモンの蜂蜜漬けのような、酸味と苦み、甘やかさの溶け合った香り。食パンの白い部分や白胡椒、スミレの花のような香りも嗅ぎ取ることができます。速醸酛であることを示すように乳製品感はやや控えめでありながらも、低温熟成によって引き出された豊かな表情を見せる香気が複雑な味わいをほのめかすような香り立ちです。
口当たりは若々しく軽快。じんわりと滲むような酸と湧き出して嵩を増していくような旨みが緩やかに調和し、力強くもスマートな飲み口を表現。しっかりと火を入れてつくられたカラメルソースのようなフレーバーが漂う、甘さと香ばしさが織り重ねられたようなビタースウィートな味わいを楽しませてくれます。
飲み落とすと、酸の引き締まった感触による清々しいキレ。すっきりと洗い流された後口には、スミレの花のような清楚な余韻が繊細にたなびきます。
突出した要素のない、綺麗な球体が思い浮かぶような、バランスに優れた、エレガントな味わいを楽しませてくれる「弓絃葉 純米吟醸 無濾過生原酒」。穏やかでありながらも芯のしっかりとしたボディに、共にする食事を選ぶ事なく引き立てるような持ち味を感じる「はなともえ」の逸品です。この機会にぜひ、ご体験ください。