【使用米】兵庫県産渡船 48%精米
【アルコール度数】16%
【使用酵母】静岡酵母HD-101
【日本酒度】+3.5
【酸度】1.7
【おすすめの召し上がり方】冷やして~常温~お燗
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
静岡県「英君」の英君酒造からリリースされた「渡船」による純米大吟醸酒のご紹介です。酒造好適米である「渡船」は、「雄町」の優良系統を選抜して育てたものといわれているんだそうです。山田錦の祖先でもあるという「渡船」ですが、一時は栽培が途絶えていたものの、近年、復活栽培に成功。その希少価値に加え、香味の良さもあいまって「渡船」による日本酒はじわじわと増えてきています。そんな「渡船」。兵庫県産のものを48%精米にて100%使用し、静岡酵母HD-101によるアルコール発酵。火入れはプレートヒーターを使用し、フレッシュさを損なう事なく加熱殺菌。瓶詰め後に5℃の冷蔵庫で貯蔵したというもの。
冷酒~常温だと、ネーブルオレンジを想わせる爽やかで甘い香り立ち。英君らしさのあるスマートな旨み、透明感のある軽快な甘み、キュッと引き締まる酸、キリリと清々しい苦みが調和したエレガントな飲み口。後味にギュギュッと柑橘系の果実の外皮のようなビター感を閃かせ、余韻に花のような芳しさをたなびかせます。
40℃前後に温めると、香りはふんわりとジャスミンのようなニュアンスを獲得。旨みのボリュームはそのままに、酸がより鮮やかに煌き、ビター感が穏やかに、くっきりとしたコントラストに加えて、張りのある飲み口を表現。ほんのりと漂う甘さを引き締めた、すっきりと清々しいぬる燗を楽しませてくれます。
さらに45℃を越えるあたりで「純米大吟醸 渡船」は、大きく表情を変えます。香りにはバニラのようなニュアンスが立ち昇り、優雅な舌触りの旨みを柔らかく広げます。酸は円みを帯びながらもボリュームを落とす事なく、ふっくらとした甘さをキュンッと、チャーミングに引き締め。キュートな甘旨の上燗を楽しませてくれます。ビター感は味わいとしては影を潜めつつも、スムーズなキレに貢献。ふわっと花のような芳しさを優しく放って、心地よい余韻へと導いてくれます。