「葡蔵人」と書いて「ブックロード」と読む、日本ワイン「Book Road ~葡蔵人~」。
葡萄の「葡」、酒蔵の「蔵」、ブドウ栽培農家の方々が育てた葡萄を、ワイナリーである「ブックロード」が間を取り持ち、ワインへと昇華させつつ、多くの「人」に伝えていきたい、繋がっていきたい、という想いで名付けられというワイン「Book Road ~葡蔵人~」。「Book Road ~葡蔵人~」ワインが家にあると思うと、続きが気になって仕方がない「本(Book)」が家にあるときみたいに、帰りの「道(Road)」をうきうきして家路に付くような、魅力的な香味を持ったワイン…という勝手な解釈を思いついてしまう、心地よい語感と心躍るような香味を携えたワイン「Book Road ~葡蔵人~」です。
「ブックロード・ワイナリー」は、2019~2020年の時点で3造り目となる新しく設立されたワイナリー。古くから職人が多く「ものづくり」の町としてよく知られた、御徒町から蔵前地域【カチクラ】なる通称で呼ばれる台東区でのワイン造りです。すべてのワインに国産の葡萄を100%使用した、東京・下町 “都市型” ワイナリーによる「日本ワイン」です。
【ヴィンテージ】 | NV | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | 日本 | 【地方】 | 甲信越地方 |
【地区】 | 長野県 | 【市区町村】 | 塩尻市 |
【品質分類・原産地呼称】 | 日本ワイン | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | ナイアガラ 100% | ||
【醸造・熟成】 | ステンレスタンク | ||
【アルコール度数】 | 9% | 【色】 | 白 |
【種類】 | 白ワイン | 【味わい】 | 辛口・ミディアムボディ |
東京都台東区で日本ワイン「Book Road ~葡蔵人~」を醸す東京下町ワイナリー「Book Road(ブックロード)」による、長野県塩尻市で栽培されたブドウ「ナイアガラ」を100%使用して仕込まれた辛口の白ワインのご紹介です。
ラベルにワイングラスとともに描かれているのは「ベリータルト」。今にも折れそうな細いステム(脚)をしたグラスの上に、しっかりと焼かれ、カリッとしていそうなタルト生地が載せられ、その上に、クランベリー、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ストロベリーが山積みになっています。これはこのナイアガラ・ワインがグラスから立ち昇らせる香りにそのニュアンスがあることからと思われます。さらに、ラベルの地に淡い緑色が配されているあたりには、このナイアガラ・ワインのフレッシュさがほのめかされています。
緻密に描かれたリアルさと鮮やかな色使いに感じられるポップさを併せ持った、こじんまりとしたオブジェクトが可愛らしく、同時に目を引く、魅力的なラベルデザインです。
すべてのワインのラベルにお料理や食材の絵が描かれている「Book Road ~葡蔵人~」ワインですが、出来上がったワインをワイナリーの皆さんで飲みながら、合う食事を考え、提案しあいながら何を描くかを決めるんだそうです。
また「ナイアガラ」の記述の下に「1503-29」なる暗号めいた数字が記載されています。ブックロード・ワイナリーでは、ワインに西暦でのヴィンテージの表記はせず、その代替的なものとしてこの数字を用いています。「1503-29」の先頭の二桁「15」は、Book Road ワイナリーを運営する「K’s Project」が創業から15年を迎えたことを示しています。さらにその次の二桁「03」は、Book Road ワイナリーが3年目の造りであること、ハイフンの後の二桁「29」は、このナイアガラ・ワインが仕込まれた順番が29番目であったことをそれぞれ表現しています。
グラスに注がれた「Book Road ~葡蔵人~ ナイアガラ」は、ごく微かなグリーンを溶け込ませたイエローの色調をクリスタルのように澄んだ中に呈し、その若々しさと健全さをありありと伝えます。液面を艷やかな光沢で覆い、純良なアルコール分の存在を示唆し、その奥から輝きが溢れ出すように放たれ、酸の豊富さがほのめかされます。また、グラスの内側におびただしい数の炭酸の泡の粒を張り付かせ、爽やかな口当たりが展開されることを期待させます。
グラスから立ち昇るのは、豊かなピラジン的青い(=グリーンな)ニュアンスと果実の香り。刈り立ての芝生や青ピーマンを想わせる青々としたベジタブルな香りに加え、マスカットや白桃を想わせる甘やかで艷やかな果実感も漂います。ひと嗅ぎしてニューワールドのソーヴィニヨン・ブランのワインかと思わされてしまうほどのグリーン・ノートが爽やかさを引き出し、ナイアガラならではの白ブドウジュース感もしっかりと携えた、瑞々しい飲み口を期待させる香り立ちです。
軽快な果実味に爽やかな酸味が調和した涼やかなイメージが浮かぶ口当たり。心地よい刺激をもたらす微炭酸によって爽快感が引き上げられ、すっきりとした辛口の味わいを楽しませてくれます。口の中に広がるのは、セージを想わせる苦みを伴った若々しいハーブ感や、実のよく締まった林檎のようなシャキッとした果実フレーバー。清々しい中にごく微かな甘やかさが滲み、瑞々しい香味が鮮やかに広がります。
飲み落とした後に広がるのは清涼感を伴った苦みのじんわりとした口溶け。消え残る酸味がこだまする後口にライムのような苦みを際立たせた柑橘系の果実を想わせる余韻が繊細にたなびきます。
目の覚めるような鮮烈な香り立ちと、フレッシュなグリーン・ノート、ジューシーな果実味の調和が軽やかですっきりとしたドライな飲み口を引き出しながらも、瑞々しさを携えた香味をも楽しませてくれる「Book Road ~葡蔵人~ ナイアガラ」。しゃきっとした印象がありながらも、穏やかさや親しみやすさを感じられる、カジュアルエレガンス的な日本ワインの逸品です。この機会にぜひ、ご体験ください。