【使用米:麹】八反錦 55%精米
【使用米:掛】八反錦 60%精米
【アルコール度数】17度以上18度未満
【使用酵母】宮城酵母
【日本酒度】+3.5
【酸度】1.6
【おすすめの召し上がり方】冷やして~常温~お燗
【冷蔵の有無】冷暗所での保存
【開封後賞味期限】開封後はなるべく早めにお召し上がり下さい。
東京・東村山市「豊島屋酒造」の初代「豊島屋十右衛門」の名前を取り、商品名として付けられたのがこの、極少量生産のお酒「十右衛門」です。広島県産の酒造好適米「八反錦」を100%使用して仕込まれた純米酒の、香味のバランスに優れた「中取り」部分のみを取った生原酒を無濾過で瓶詰め。豊かな旨みの溶け込んだ力強い味わいを微炭酸が爽やかに楽しませてくれる、穏やかな香り、しっかり濃いめの味わいのあるフレッシュな辛口のお酒です。
スミレの花をイメージする円みのある香りや、ニッキのような少しピリッとした辛味を連想する甘い香り立ち。落ち着きのある、深みを感じられる豊かで独特なその香りのニュアンスには、どこかしら食欲を刺激するような雰囲気を感じます。口に含むとピリリッと、微かな炭酸のチクチクと刺すような心地よい刺激のある口当たり。たっぷりとしたまろやかな旨みが微炭酸を溶け込ませたまま、舌に張り付くように広がり、瑞々しい飲み口を表現。しっとりとした甘い気配を漂わせながら、バイオレット・フィズのような芳しい風味を楽しませてくれます。飲み落とした後には、強め(17度以上18度未満)のアルコール分によるヒリッとしたキレの感触を伝えつつ、シナモンのような甘くスパイシーな余韻をゆったりと漂わせます。
さらに、温めることでこの「十右衛門 純米 中取り生原酒」は、冷たいときとは異なった魅力的な表情を見せます。
40度前後に温まると香りはジャスミンのような柔らかく上品な甘い花のようなニュアンスを獲得。旨みが柔らかく解れて、その旨みを引き立てるように柔らかな酸が煌きます。口の中に広がるのはカスタードクリームのようなまろやかな甘い風味。後味は伸びやかな酸によって爽やかに、まろやかなビター感の余韻をたなびかせます。
45度前後で、香りは微かに香ばしさを獲得。シナモンのような甘いスパイスのようなニュアンスが漂います。ふくよかな旨みが柔らかな苦みと調和。ラムネ菓子のような清涼感のある風味を広げます。軽快、且つ、鮮やかな味わいをお楽しみいただけます。
50℃を超えると、バニラを想わせる馥郁たる甘い香りを立ち昇らせます。旨みのボリュームをさらに増し、酸も鮮やかさを獲得。高位置でバランスして、甘さを感じさせずに豊かな味わいを表現。すっきりとしていながらもたっぷりとした味わいの熱燗をお楽しみいただけます。