【ヴィンテージ】 | 2009 | 【容量】 | 750ml |
【原産国】 | フランス | 【地方】 | ボルドー |
【地区】 | フロンサック | 【村】 | ヴェラック |
【品質分類・原産地呼称】 | ボルドー・シュペリュール A.O.C. | ||
【格付け】 | - | ||
【使用ブドウ品種】 | メルロー 90%、カベルネ・ソーヴィニヨン 5%、カベルネ・フラン 5% | ||
【醸造・熟成】 | 50%をフレンチオーク樽(400L)6ヶ月 | ||
【アルコール度数】 | 14.5% | 【色】 | 赤 |
【種類】 | 赤ワイン | 【味わい】 | 辛口・フルボディ |
フランス・ボルドー地方フロンサック地区ヴェラックで、1941年から4世代にわたってブドウ栽培・ワイン造りを続けてきた家族経営のシャトー「シャトー・フルール・オー・ゴーサン」による赤ワインのご紹介です。
通常リリースされる商品名としての「シャトー・フルール・オー・ゴーサン」には、”Terre(テール)”の記述はありません。が、今回ご紹介のワインは「“Terre” Chateau Fleur Haut Gaussan」となっています。これは、シャトーを取り巻く生態系や環境に敬意を払うため、ブドウの出来があまりにも素晴らしい年だった2009年に「Terre(=テ-ル=大地)」というネーミングで特別に造られたキュベ。「シャトー・フルール・オー・ゴーサン」はこの2009ヴィンテージを「Elle éveille nos sens.(それは私たちの感覚を目覚めさせる)」ほどの素晴らしいワインだと述べています。
2019年8月10日(土)試飲
グラスに注がれた「”テール” シャトー・フルール・オー・ゴーサン 2009」は、黒っぽいガーネットの色調を呈します。10年を経たとは思えないほどの深く、濃い色付きは、いまだ若々しさを失っていないことをありありと伝えます。また、中心部分から外側へ向けて優しいグラデーションを描き、縁の部分にはうっすらとオレンジのトーンをほのめかし、じわじわと熟成の段階へと進み始めていることを示唆しています。明らかな健全さを見て取れる艶やかな光沢を浮かべたその美しく色付いた液体を眺めるにつけ、複雑さを纏い、豊かさを身に付け始めた心地よい香りを期待させられます。
グラスから豊かに立ち昇るのは、メルローらしい、ブラックベリーやプルーンを想わせる果実感。微かな香ばしさが紫蘇梅のようなニュアンスを伝え、さらにはほのかなスパイシーさを添えて、ふくよかさを思い浮かべる香り立ちにほどよいアクセントをもたらします。熟成が進み始めていることを示す革のような香りや、オーク樽からのコーヒー豆を想わせる柔らかいビターなニュアンスも漂わせ、複雑で心地よい香気とともに熱気を感じるような、生気に満ちた芳香を楽しませてくれます。
しなやかに解けた果実味から滲むごく微かな甘やかさが純良なアルコール分に相乗された、しっとりと落ち着いた口当たり。さらにきめ細かく柔らかな酸味が際立てつつ、じんわりと広がる張りのある渋味成分が引き締まった飲み口を表現。口の中に広がるのは、ダークチョコレートのようなビター感とアメリカンチェリーのような甘酸っぱい果実フレーバー。
飲み落とすと、アルコールの熱気が消え残る後口に黒い果実と土っぽさ、ほろ苦いスパイスのニュアンスが溶け合った余韻を優雅にたなびかせます。
開栓してすぐの状態の香味は、10年の眠りから覚めきらず、少し強張った印象があります。が、30分ほどで解きほぐれてスマートに、鮮やかに、芳しくエレガントな香味を楽しませてくれます。主体となったメルローの果実感に密かに添えられ、ほのめかされるカベルネのフラワリー、ソーヴィニヨンの青さ、フランの香ばしさが、綺麗にまとまりを見せ始めている印象の2009ヴィンテージの逸品「”テール” シャトー・フルール・オー・ゴーサン」です。この機会にぜひ、ご体験ください。